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使う前に、選ぶ前に、これだけは知っておきたい部品のジョーシキテック君の豆知識

今さら聞けない あんな質問、こんな疑問を、RSが代わりに伺ってきました。

今回は【+ねじとドライバ編】です。



「+ねじ」はおもちゃ、DIYなど家庭から工場など幅広い場面で使われています。でも、「+ねじ」と一言で言っても形状や大きさなどが色々あります。そんな中、「ねじ」と「ドライバ」を使っていると次のような事に遭遇したことはないでしょうか?

  • ドライバがねじの頭(+)に入らない
  • ドライバが空転してしまう
  • ねじを回しているとドライバが浮いて空転する

これらは、「ねじ」と「ドライバ」の組み合わせが間違っていると起きてしまうのです。 ということで、今回は「ねじ」と「ドライバ」の組み合わせについてご紹介します。

 +ねじの種類

今回は十字穴に注目してみましょう。種類としてJIS B 1012-1985でH形、Z形、S形の3種類が定義されています。現在、ほとんどのねじに関するJIS規格がISOに準じていますので、世界的にも大差ないと考えて良いでしょう。

十字穴の種類 適用するねじ部品 他の規格との関係
H型 ねじの呼びM1.6以上の一般用ねじ部品 ISO 4757 準拠
Z型
S型 ねじの呼びM2以下のねじ部品び
及M3以下の小頭のねじ部品
JCIS 8-70 準拠
日本写真機工業規格
「精密機器用ねじ十字穴(0番)」
  • H形 ・・・ 一般的なタイプ。Philips(フィリップス)系のねじ
  • Z形 ・・・ JIS規格ねじだが、あまり見ない。Pozidriv(ポジドライブ)系のねじ

これら以外の十字穴としてSupadrivという種類もあります。これはZ形(Pozidriv)よりもドライバの喰いつきが優れているという利点があります。

 ドライバの種類

ねじの種類がわかったところで、「ねじ回し」ドライバのお話です。実はH形、Z形のねじ用ドライバはJIS B 4633-1998(Z形は附属書1)で大きさや形状などが決められているのです。S形のねじ用ドライバはJCIS 9-70で決められていて、このJISでうたわれています。ドライバとねじ(H形)の関係は次の表のようになります。

サイズ No.00 No.0 No.01 No.02 No.03 No.04
呼称 ※1 - マイクロ 特大
規格 無し JCIS JIS JIS JIS JIS
対応する小ねじの
呼び方(H形)
- M1.6
M2.0
M2.5
M3
M3.5
M4
M5
M6 M8
M10
特徴 No.0より
細い
時計、メガネ
などに使用
一般的 一般的 最近
見なくなった
殆ど見ない
※1:呼称は市場で一般的に使用されている呼び方です。

現場では「マイクロ」、「小ドラ」、「中ドラ」、「大ドラ」といったようにドライバを大中小で呼んだりすることもあるようです。サイズはドライバの柄などに書かれていますので、覚えておくと次に購入する時に便利です。

 ねじとドライバの組み合わせ

ねじとドライバを使用する上で大切なのは、それぞれを正しい組み合わせで使用することです。例えば、Z形のビスにはH形用ドライバの1番手小さいのが使える事がありますが、あまりおすすめできません。なぜならば、下の写真にもあるように、H形ドライバの先端とZ形ドライバの先端は似ていますが実際の形状は異なっているのです。



ねじとドライバの組み合わせが正しくないと、

  • 適正な締め付けトルクが得られない(力が伝わらない)。
  • ねじの頭(十字穴部)を傷付けバリが発生する。
  • ねじの頭(十字穴部)をなめてしまってドライバが喰いつかない。

などの不具合が発生し、品質の劣化や余分な工数の発生となる場合があります。

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