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RoHS FAQ -RoHS指令についての解説-

RoHS指令の対応方法など、RoHSに関する質問をFAQ形式で解説します。

RoHS - FAQ -

こちらではRoHSに関するよくあるご質問・回答を広い範囲にわたってご紹介します。

RoHS FAQ

Q. RoHSによる影響を受けるのは誰ですか?

A. この指令が与える影響は、広範囲に及びます。
RoHSは、指定された電子機器カテゴリのサプライチェーンに関わる企業だけでなく、構成部品の製造、流通、および使用についても幅広く影響を及ぼします。たとえば、製造プロセス、製品設計、在庫管理、品質管理、サプライヤリレーションシップ、購買、カスタマーリレーションシップなどが影響を受ける可能性があります。

Q. RoHSの影響を受けない製品を製造しているのに注目しなければならないのはなぜですか?

A. 今日使用されている多くの構成部品は汎用性があり、広範な用途で使用される可能性があります。
通常は、構成部品製造業者は、適合製品と非適合製品をそれぞれ製造するような計画を立てることはなく、最終的には適合製品だけが製造されることになります。
したがって、新しい構成部品への移行を望まない企業も、早急にサプライヤに連絡をとって、今後の計画を確認する必要があります。
その後の行動としては、非適合構成部品を「製造終了前にまとめて購入」して当面の使用量を確保したり、代替サプライヤを選択する作業が考えられます。

Q. カスタマーへの対応はどうすればよいですか?

A. 構成部品または部分組立品を供給している場合、カスタマーから適合宣言書の提出を求められる可能性があります。
調査方法は、はい/いいえで答えるものから完全な物質構成比の提出を要求するものまでさまざまな形式があります。
これらの問い合わせに迅速かつ包括的に回答することによって、カスタマーに安心感を与え、通常業務が中断するような事態を回避できます。

また、カスタマーが引渡通知書や梱包上に適合情報/マークをつけるように要求する場合もあります。

Q. 使用制限物質はどのような部位に使われていますか?

A. 使用制限物質は広範な用途で使用されています。以下に例を示します。

物質 使用されている可能性がある部位
(Pb)
はんだ
終端部の被覆
塗料(顔料または乾燥剤)
PVC(安定剤)
カドミウム(Cd) 顔料
PVC(安定剤)
接点
水銀(Hg) 蛍光灯
センサ
リレー
六価クロム(Cr(Ⅵ)) 防腐剤(亜鉛またはアルミニウム)
耐食性塗料
PBBおよびPBDE プラスチック用難燃剤
(PBBはすでに製造されていない)

Q. 『デューデリジェンス』とは何ですか?

A.  「デューデリジェンス」の要件は国ごと、製品ごとに異なる可能性があります。デューデリジェンスを示す方法はいくつも存在しますが、適切な方法の定義役立つと考えられるステップを以下に示します。

1.自社の製品は適合する必要があるか?

  • 適合する必要がある場合、構成部品/材料のサプライヤに相談して適合宣言書を取得する(残念ながら適合宣言書に関する協定はありません)
  • あらゆる部品番号の変更を確認し、購買システムを更新する
  • 「テクニカルファイル」に適合宣言書をまとめて保存する

2. 提供される情報に自信を持ってよいか?

  • リスク分析に着手して信頼度を決定する
  • その製品に使用制限物質が含まれる可能性はどの程度か?
  • 書類上または製品パッケージ、あるいはその両方に適合していることが示されているか?
  • 製造業者またはサプライチェーンの参加者が適合情報を提供しているか?
  • 以前の情報は信頼できるか?
  • この製品はすでに適合が確認されている製品範囲または製品ファミリーの一部か?

3.サプライヤを変更する場合は、適合に関して示されている情報を確認する

4.適合しているかどうか疑わしい場合は、試験またはその他の適合確認手段の実施を検討する

5.「デューデリジェンス」の証拠として、「テクニカルファイル」を少なくとも4年間保存する

Q. 適合情報が集中管理されているデータベースは存在しますか?

A. いいえ。複数の組織がそのようなデータベースの構築を試みていますが、現時点では存在しません。サプライヤから適合情報を入手する場合、特にその部品番号が変更されていない場合あサプライチェーンにおける変更のタイミングとリードタイムに注意する必要があります。これは、製造業者が適合バージョンの製品の製造を開始しても、その後数ヶ月にわたって依然として非適合製品が配送される可能性があるためです。

Q. どうすれば適合していることを確認するための試験を実施できますか?

A. RoHS適合を試験する簡単で安価な方法はありません。これは、指令で均一物質における最大許容濃度が指定されているため、使用制限物質を個々に試験する必要があるからです。これは、構成部品を砕いて解析するというレベルの簡単な作業ではありません。試験手法はいろいろありますが、おそらく最も費用対効果大きいのは、ED-XRF(Energy Dispersive X-ray Fluoroscence:エネルギー分散型X線分析装置)です。この方法は、鉛、水銀、およびカドミウムの濃度を測定する場合に非常に効果があります。クロムと臭素についてはその存在を検出することしかできないので、六価クロム、PBB、PBDEが存在するかどうかは、ほかの試験方法によって調べる必要があります。

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(注)
このガイドはまだRoHS対応を始めていないお客様には、その影響や早急に対応すべき点を明確にするために、既に取り組みを開始されたお客様には、要求の全体をカバーしているかどうかの確認のためにご利用頂けます。
このガイドは指令の要点を概観するためのもので、鉛フリー製造への詳細な技術指南書ではありません。
個々のケースでは、部品メーカーや装置メーカーからの専門的なサポートが必要になる場合がありますので、ご注意ください。
本RoHSガイドは、弊社の本社である英国RSにおいて作成したものであるため、必ずしも日本国内のお客様全てにあてはまるものではないことを、ご了承願います。

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